2014年6月27日金曜日

2014-06-26 札幌のCLT説明会

CLTとは平たくザックリ言うとベニヤの親分。

用途はベニヤ板(面を構成する材料)とは違い、構造材。文字で書くと大差がない様に見えるが大きく異なる。

今までの木材利用は、柱や梁など基本的に線状の構造材だったのが面状の構造材となる事。

合板(ベニヤ板)は線状の木材をより強い面状につなぎ合わせる為に作られたもの。


CLTは面状構造材なのでこんな使い方をする。

今まで床を作ろうとすると、現場で梁・根太・床板を構成したが、これは一枚のCLTでまかなう。

この工程の短さは想定できるだろう。
プレファブのパネルにも似ているが、プレファブは従来の梁・根太・床板を別なところで作成している物で、その作業は見えない所で行っている。

構造的にはプレキャストコンクリート版に似ているが、現場での効率が異なる。その原因はコンクリートの重さ。木材の5倍ある事から、同じ面積の床を作ろうとしてもクレーン等の能力に大きな差が出てくる。同じ重さならば5倍の面積の床を一度に吊り下げられる。

構造計算上では壁式コンクリート造をイメージすると一番簡単。

見た通りに、これには柱も梁もない。
床と壁とで構成される。コンクリート造では構造に利用していない間仕切り壁も構造部材に算入している事で可能になる。

ま、計算上必要な所には梁も入るだろうが、現在の中層程度のマンションには小梁大梁共に不必要になるケースが数多く出てくるだろう。


昨日の説明会。残念な事に日本のCLTの研究は遅れている。ヨーロッパでは20年前からスタートして相当の認知を受けていたが、日本ではつい3年前。残念に思っていたが、まぁ始まったので食いついてみた。

説明会。CLT協会は相当な人材不足なのだろうか。ちょっとマイク貸してよ!と言いたくなるほど・・。
他は非常に良かった。

この写真類もそうなのだが、正直言うとwebの方が資料が手に入る状態だ。


残念ながら国内事例は非常に少ない。
だが、地元北見のウッドピアで今年国内2棟目が立つのはありがたい。なんせ車で5分。
まぁ、残念ながら地元では全く僕は評価されていないので、絶対にウザがられるだろうが・・・。
付きまとってみる。待ちわびたのだからそのぐらい許されるだろう。



構造材CLTとは一線を引いたうえでの話だが、木材利用の上での耐火性能について現状説明もあった。
主にこの3種。

これを見て、ここまでして木を使う必要があるのかと疑問を持つ人は多い。

だが構造次元と耐火次元とは異なる。別に考えるべき。

日本の事情でもあるのだが、木材にもそれ相応の耐火性能が求められる。

で、これをみて正直言うと、苦し紛れ案的印象はぬぐえない。もっといい手があるだろうに・・・。

これ、以前指摘していたことに対する逃げ道をひねり出したと言う事なのだろう。国交省も以前の法的欠陥のアリバイを作らなきゃなんないし・・。ま、そんなところ・・。





CLTに話を戻せば、写真の様にCLTも耐火性能はある。

だが、これは日本の耐火試験ではない。試験にはそれなりの基準があってそれをクリアすべき。これはヨーロッパでの写真。耐火の目的が異なる。





まぁ、とにかくCLT類がある程度普及したところでのネタを考えていたので、現状を知るうえで良かった。

ようやく使えそうだ。

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