2011年3月26日土曜日

ライオンの飾り

今の建設現場で(食うためには仕事せにゃ)、ライオンの装飾が欲しいと言う事になった。めんどくせー。

これが無い、簡単に見つかるかと思ったのだがちょうど良いのが本当に無い。
温泉の湯口の転用とか、熊の首にタテガミつけるとかで誤魔化したかった。
だが、それも丁度のものがない。


しかし、夢に出てくるほどどうしても欲しいらしい。
最終手段の一品ものを作る事になったのだが、工期がない。しかたがないのでCAD/CAM。

切削してもらうためのデーターを描く。  描き上がった物を見ればこんなものだが、実にしんどい作業。

建築なら今まで表立った悪い批評はそう聞かないが、こういう具象物は子供から大人まで一斉に言う。言いやすい。「猫だ」とか「熊?」なんて・・。手の抜きどころがない。こっちの造形力に直接響く批判を覚悟しなきゃならない。彫刻家はいいね、素材感でも勝負できるから。

ヨーロッパの建物の中にも獅子は出てくるが、リアルなライオンなどは無い。三越のライオンだって唇ビローンなのだ。むしろ滑稽なぐらいデフォルメしてあるものだが、そういうシンボル化した獅子を一般の人(この地方の人)が分かってくれるかどうか。試してみたい気もするが、わざわざ危険な路線を行くこともない。

クライアントには、出来栄えに文句を言われ、CAM屋にはこんな凹部は掘れない(そんなのはわかっているがクライアントの手前書かなきゃならん)とデーター変更の注文をつけられるのがオチ。

絶対むくわれない作業だもの、やりたくねー。そう考えながらの、数千の面の穴探しをチマチマやるっているのはさらに悲しい。

出来るだけ、クライアントの要求は聞こえないふりをしていたのだが・・。

あー、ケモノなんてもう描きたくねー。もっと面白い物造ろうよ
Posted by Picasa

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