2014年4月16日水曜日

試行錯誤の末

学生が(多分)行き当たりばったりで、いろいろ試行錯誤するのは見ていて楽しい。


一応プロとしては、ナニか実利的成果がないとダメみたいな事になってしまうので人前ではなかなかできない。

でも、新しいチャレンジではこの試行錯誤はどんな時にでも必要で、それを恐れるようでは従来の手法の焼き直しになってしまう。事前に結果が予測できる、それがプロたる所以なのだが、逆な事を言えばどれだけ試行錯誤を重ねて来たかが経験。だからどのような場合にも対応できるという事でもある。

     
ひまつぶしにダ・ビンチの本を開いていると、まぁ執念深く色んなことに手を出している。

もちろん、成功例もあるが膨大な試行錯誤の量。その中でも幾何学は特に好きなようで純粋多角立体などを数多くやっている。

かく言うオッサンもこの種の事は、やっている。

という事でもう一度引っ張り出してみた。

ダ・ビンチの時代よりも学問も当然進んでいるので僕なりのこの種の応用分野の結論。

ドームが今でも取り上げられる。種類も千差万別、ローテクのアースバッグドームからザハハディットのCGまがいのドームまで色々あるが、ドーム建設には、建設の方法論などのシステム化が考える方の興味の本質だろう。

いかに合理的な手法であるか、ドーム建設にはそこがポイントかと思う。

代表格のフラードーム(ジオメトリックドーム)系統は今でも大人気。でもジオメトリックドームは小さい建物に用いると、なにかどこか歪んでいるようでお世辞にもきれいとは言えない。



そこで、僕の結論はこれ。

正3角形、正4角形、正5角形で構成された立体。ドームを何で作るかと言う素材の話で行くと、僕のは手っ取り早く「市販の建材」で作るという事を最優先にしている。

つまりは、ザックリ言うと、いわゆる3×6版の建材(91cm×182cm)の物が19枚でこれが出来る。だからこのドームの直線部分は全て91cmになっている。これで直系約3.6m。

ドームを6個連結した内部空間。
寸法モジュールは上下関係にまで統一されます。
つまり、建材ロスが少ないのです。
角度を気にしてフレームを組んで面材を貼るなんて面倒。建材の寸法を基準に半分に切る、あるいは正三角形にする。正五角形にするだけで材料はそろう。

実は、小空間では面材を貼ったフレーム程の強度は必要がないのがほとんど。荷重が拡散すると言うのがドームの利点なのだから。

そして他の方法ではドーム同士を連結するのには無理が生じる。力も集中する。寸法体系が合わない。勿論、構造計算は必要だが、小空間の半端寸法ほど解析が上手く行かない。

それにフラードームの最下部分は水平ではない(床面と一致しない)ので、寸法調節をしているのがほとんど。考案者のフラーが生きていたのなら多分一番気にしているところだろう。

ダビンチの頃の純粋幾何ならば、重力の影響はまだ考えられていない。フラーの頃には手間を考えてはいないだろう。この案(わかりやすく僕は345ドームと言っている)は、流通されている資材の寸法体系による物なので、用途によって材料を変えればよい。

外観のCGの左後ろにある平べったいドームは、4×8サイズ(1.212m×2.424m)のパネルのもの。直径屋根部分で7.66mベースで9.7mある。

実際には断熱性能が不必要なら誰でも簡単に建てられる。必要ならば、ウレタン吹付露出+紫外線防止塗装ならそれでもいいかも。

でも、綺麗にそして頑丈に冷暖房も、ついでに分解もして移動したい、と言うのであればそれは結構難易度が高くなるので事前に詳細検討が必要です。

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