2014年12月30日火曜日

方丈記の方丈庵-2 今までの研究内容に納得がいかない

ここにこう言う図があった。

鴨長明は方丈記の中で今で言うならばノマド(遊牧)的住まいの考えを持っている。

つまり方丈庵は基本プレファブ。建物一軒が、分解出来て大八車に乗らなければならない。

などなど、TinyHouseの神髄と言っても良いかもしれない。(それは後で)

それにしても「方丈記:方丈の宿り」を読むと、左図とは内容が違う。単純な図版のミスだろうか・・。

だが、とりあえず今はこれをそのまま採用する。 
 
こちらの図も囲炉裏が付いている。良く見かける図ではあるので、こちらの図を参考にした。
また、上記構造説明のような土台下の束は立てない。実際それは面倒なのだ。
基礎石に土台下には寸法調整くさびだろう。


右は他説での方丈庵
しかしながら囲炉裏と言うのは天井があると据え付けにくい。方丈記の中では「天井7尺」とあり、諸説の図解の中には天井があるのもある。

でも、それは間違いだろう。天井はこの規模の建物には一番大きな部品となり、かさばってしまう。

全て分解出来て大八車の上に載せるとなると、やはり天井は大きい。建物として求められるであろう性能の防風には面戸板で十分だ。


それにしても、蔀戸と壁のパネルの仕上げが非常に似ている。一番上のページと図解では別ものと記しているが、果たしてそうだろうか。
パネルが柱の内側で収まっている。

また、有名なレプリカは柱内でパネルを納めている。建築として確かにこの方が美しいのだが、鴨長明は網代パネルを防水パネルとして扱っているのと、この柱内パネルの納めは土台に水が回り内部床板に影響がある。

土台が大寸法の製材で溝を突いた形なら理解できるが、そうでない場合は面倒な事になっている。

鴨長明は多分こう考えるだろう。壁も蔀戸も同じものを使う。壊れたら雨係の少ない所に転用したり、とにかく交換可能なように同形同寸。壁でもあり窓でもある。その気になればすべて開く(これは大胆すぎるか・・)。

とにかく、雨水は柱の外部に流せばよい。(多少高級住宅とは異なっていたとしても・・)
また構成部材はとにかく軽くなければいけない。床根太のような隠れたところの部材も簡潔で、土台も非装飾的で良い。

鴨長明のような究極のミニマリストならばそう考える(笑)。

網代パネルは柱の外、2段になっている。(蔀戸端部参照)
左図は以上の考えによった方丈庵の近景。

入口正面の舞良戸は省略して室内構成を見せている。障子の衝立の左が芸術エリア、右が宗教エリア。囲炉裏の手前が就寝や日常の生活空間。右端の丸い物は竃(かまど)。




0 件のコメント: