2014年4月1日火曜日

コクーンと言う種類の物

これは、ドラゴンボールにあった一人用ポッド(生命維持装置)である。



と言うのは嘘で、アマゾンで売っている津波シェルター4人乗り。(詳細はLINK先で)

れっきとした防災用グッズである。


コクーン (cocoon) は、英語で繭の意味である。

動物は活動時間以外は休息のために寝るのだが、その場所は休んでいる間に身を守れる物陰や洞穴や仲間の集団など。


それは本能。人間の場合「家」が外部からのシェルターとなり、その中では比較的開放的に生活している。巣と言う物の原型から多少離れてきた。  


所がその頼りとする家がそう安全ではなく、あるいは家自体を極めて安全に作る事はコスト的に難しい事から、家の一部分をシェルター化することが模索され続けている。この例もそうだが、スイスなどの一般住宅の地下にある核シェルター(と言い難い。実際は防空壕レベル)や、アメリカの竜巻などからの避難場所としての地下室。日本ではあの3.11以降の津波対策のカプセル、阪神大震災以降の住宅建物が崩壊しても寝室だけは崩れないと言った補強施設や高強度BOX。


この地方は本当に天災の少ない地域なので、そのような住宅施設の要望は皆無。ここにある自然災害の危険性と言えば唯一「寒さ」だけしか思いつかない。


所で、住宅の中で一番長い時間を過ごすのは一般的には寝室だろう。しかし、その部屋の利用時間は寝てしまっているから非常に意識的には軽い物、優先順位は低いようだ。災害時に対しての安全面から行くと、意識がはっきりしている間はどこにいても訓練次第で対応できるだろうが、寝ていてはどうしようもない。その割には無防備ではある。



シェルターは起きている時に使う物、そう言う意味で休息する時の場こそ安全に配慮してはどうかと言う提案でコクーンと名付けている。

これは東北大震災直後に書いたコクーン。材質はCLT(クロスラミネイテッドティンバー)とFRP。書いてからもう3年経ってしまった。


しかしながら、今までの生活習慣とは恐ろしい物で、「寝る」と言う動作はベッドか布団。かく言う僕は、寝具店の息子なので、人一倍寝具にはうんちくがある。


発案してその僕が言うのも変だが、この形式はウケなかった。潜り込んで寝ると言う動作は残念ながら世界中あまりないのだ。だがしかし日本にはある。

思い起こせば小さい頃、押入れの中で寝てしまってどこに行ったと大騒動になったような覚えがある。まんざら誰もが経験がない訳ではないだろう。要は小さな空間は本能的に身を守るのに有利だという事には今も昔も習慣がどうあれ変わりがない。


寝室をコクーン化する為にはデザイン次第という事か。それにしても、これが判ってもらえるには相当エネルギーと時間が必要らしい。



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