2017年12月22日金曜日

漏らしてるなぁ・・・

いやね、北海道の建築技術者ではもう常識なんだけど、まだやってる所があるのよね。多分「こんなもん」と軽く見てるのだろうけど、残念な建物が実に沢山ある。

これは、素人さん向けへの説明のために書いた模式図。
本当は有限要素的な複雑な絵に(いや原理は簡単なんだけど)なったりするので手を抜いている。鉄筋とコンクリートとでは伝導率が違うし・・メンドクサイ。

鉄筋コンクリートの様に熱の伝導性が良い建物は、ちょっと甘く見てると熱がどんどん逃げる。均一なコンクリートとして熱の流れる所から等間隔で、単純に伝導レベルごとに番号分けすると、こんな感じ。

これが、意外と出来ていない。設計者側もなんだかな~。物の本に「こうやってやる決まり」と書いてあるからやったってレベル。あ~この設計者は現場を監理したことが無いなとすぐわかる。
監理をやって現場で冷や汗をかきながら、そのフィードバックで建築の質を上げていく。その経験がない・・・。
駄目でしょ(笑)  

いや、実際は難しい所もあるんだけど「これ大事!」と思っていればそんなに妥協もしないと思うんだけどなぁ。

2017年12月20日水曜日

「天声人語風アプリ活用」NHKのドキュメント「脱炭素革命の衝撃」

NHKのドキュメント「脱炭素革命の衝撃」
SNS上で妙に評価が高いのだが、そのほとんどが朝日やNHKが大好きな人たちなので、なじみやすいように「天声人語風メーカー ver.3.1」を使って下書きを吐き出しまとめた。(画像添付)あまり手を加えるとアプリ作成者に失礼なので編集は最小限にとどめた。
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「脱炭素革命の衝撃」このドキュメンタリーの中でNHKは、日本企業は世界の脱炭素ビジネスに遅れを取っていると主張している。しかしちょっと待って欲しい。日本企業は世界の脱炭素ビジネスに遅れを取っていると主張するには早計に過ぎないか。

NHKの、地道な日本企業への取材が欠けているのか、日本企業を啓発と思ってかの真摯な姿勢が、今ひとつ伝わってこない。
例えば、日本企業からは世界風潮に流されて突出したグリーンエネルギーその物をビジネスにしてはならない。ましてや他国を食い物にするようなビジネスでは長続きしない。エネルギー問題はバランスこそがカギと主張するような声もある。このような声にNHKはもっと謙虚に耳を傾けるべきではないか。


思い出してほしい、過去にも何度もNHKは日本企業の叫びを無視している。NHKは過去に、日本企業のいくつもの地味で真摯な技術を、世界に遅れているかのような報道をし、間違いであるかのような発言をして、批判を浴びた。


確かに日本企業には世界のエネルギー風潮に流される投資家に対して「真のエネルギー対策とは」とのアピールが弱い。という問題もある。だが、心配のしすぎではないか。NHKの主張は一見一理あるように聞こえる。この番組全てが間違いであるとは言わない。


しかし、だからといって本当にNHKは日本企業は世界の脱炭素ビジネスに遅れを取っていると主張できるのであろうか?それはいかがなものか。的はずれというほかない。事の本質はそうではではない。その前にすべきことがあるのではないか。


例えば、現実問題として将来に渡っても開発途上国が得やすい石炭などの化石燃料を低炭素化させる技術や地熱発電技術などは、十分に世界環境の向上に貢献するものだ。
NHKは公共放送として、日本国民が持つ技術や考え方・企業モラルなどの広報を担う一員として責任があることを忘れてはならない。


NHKの、今回報道しなかった部分には危険なにおいがする。一帯一路の方策による皆で同じビジネスをすれば「先行者が儲かる」とのストーリー作りだったが、各方面の声に耳を傾けてほしい。
NHKに疑問を抱くのは私達だけだろうか。


日本企業が世界の脱炭素ビジネスに遅れを取っていると報道したことに対しては、大手ばかりではなく中小の日本企業の反発が聞こえる。よく考えてほしい、この番組報道の趣旨、「化石燃料を扱えばグリーンエネルギー政策ではない」とする事こそがバランスを欠いたものなのだ。


エネルギー問題その物ではなく、投資と言った視点でのみビジネスを語ってはならない。ビジネス化は世界に存在する問題解決の方法論であって、ビジネス収益そのものが目的であってはならない。


NHKもそれは望んでいないはず。しかしNHKは投資先としてエネルギーを見ているだけで、特に中国企業の取組は物量で先行しているだけで有って技術的に先行しているものではない。ましてやその地域や国の将来像など全く考慮していないではないか。それをさも正しいかのように取り上げ無用な脅威を抱かせることは、日本企業としての他国の地域社会への貢献や、その背景にある良心や目的を見誤せる事にもつながる。
日本企業は世界の脱炭素ビジネスに遅れを取っていると、思い込ませる事はあまりに乱暴だ。NHKは再考すべきだろう。


繰り返すがNHKは特に中国企業の物量先行の取り組みを見せ「もう議論している段階ではない、実効あるのみ」との中国企業インタビューと、日本企業の無念の涙を取り上げた。印象的なこの2者の取り上げで、無用な不安を抱かせることに番組では成功している。

 
しかし、日本企業が悔し涙をしたのは、日本の取り組みの遅れではなく、世界中の投資家の無理解に対してなのだ。NHKはそれを報道していない。

NHKのこの番組は波紋を広げそうだ。今こそ冷静な議論が求められる。









2017年12月18日月曜日

いまさらだけどね(設計料の話)

SNS上で、設計料の話になった(笑)「お高いんでしょ?」まず開口一番にそういう感じ。
 
 まぁ、高い安いかはその人が勝手に思い込む価値観なので、正直なところ何とも言えない。なにせ僕は手間賃主義(笑)人件費と経費それ以外は請求しない。第一そんなもん面倒くさい(笑)
 
 ごく一般的に設計費用(基本計画・実施設計・工事監理大きく3つの業務含めて)は、工事費の10%とか、高度な設計内容やデザイン業務範囲が広範囲な場合によっては15%などと言われるし、業界でも何となくその帳尻に合わせるようにしているのが現状だ。そしてこの、基本計画・実施設計・工事監理の割合もまちまち・・。
 
 最近びっくりしたのが5000万ほどの設計監理料で、図面は建設業者任せで工事監理の業務が「現場に顔出すだけ」で実質何もやっていなかった大手有名設計事務所発見!お茶吹いたわ!基本計画しかやっていない(笑)必然として無駄なドラマが始まり・・・。
 
 本当は国土交通省では一定の算出基準があるがこれまたザル法(笑)。一般の住宅や病院・ホテル・集合住宅・事務所商業施設・倉庫工場・などと難易度(あるいは検討する内容レベル)によって必然的に人件費が変わる。それによっての設計人件費数が異なるので、国土交通省ではこの建物のデザインは200時間でとか、構造は300時間、実施設計は400時間などと決めている。
 
 しかしながら、これがまた設計者の能力によって大きく変わるもの。設計者にも得意不得意の分野がある(笑)と言うより、一人ですべてをこなす・・と言う本来設計者の能力に求められる事が出来る人がいなくなったので、意匠デザイン・構造設計者・エネルギー担当・コストプランニングなどと担当者別になってしまう(笑)
 
 デザインの段階からコストやエネルギープランや構造計算も分離することなくやってきた僕には、自分の作業を細分化する必要性も自覚もないので全ての事を把握しているが、その割合ははっきり言って不明確。組織設計事務所で言うところの統括マネージャー同等だが、それら普通の業務であって分離できるものではない。(急ぐ場合は手伝ってもらう事はある)
 
 全ての分野をまかなえるにはそれ相応の方法論がある。現在の主力となりつつある建築設計手法にはBIM(ビルディング インフォメーション モデリング)と言うものがある。それもCADメーカーによらず、独自の方法論を持って来たので、住宅用BIMあるいは集合住宅用BIMなど、設計依頼が来てから組み上げることが出来る。また、構造計算プログラムもその物件に合わせて組める。エネルギーに関しても同じ。
 
 これは「建築物性を計画する」(3DCGモデリングをする)段階で何を設計要素とするかを附加することで簡単に組み上げられるもの。それももはや特殊な技術ではない。BIMの3DCG部材マネージャーが物性やコスト・工法をキチンと把握していれば設計業務は激減する。 国土交通省の基準はいつの時代の設計業務を基準にしたのかは定かではない。だがはっきりしているのはもはや実情にはあっていなく、その効率の悪い算定基準をベースにして設計事務所は10%(おカミに従えばお得w)などと言っているにすぎない。
 
 まぁ、楽して金を儲けたいのは誰しも同じ(笑)
でも依頼主の利益を考える上では、正直それは不誠実な姿だろう。だから、僕は実費精算主義(これだと10%なんて行くわけがない)。住宅の場合、工事費が1.5億であっても500万だったり、2000万であっても300万(ビジネスの企画までやる場合もある)だったり割合はバラバラ。仕事が楽しかったら安くしちゃうし・・。だからあとで、もうちょっと貰えたのにと後悔することしきりなのだ(笑)
 
 どこまで行ってもうさんくさいのだが・・・そうしないと工事費の価格交渉など出来るわけがない。依頼者の利益を考えると、まず先に一番揺らぐ怪しい自分を切り離さないと・・(笑
少なくとも設計スタートから完成までは1年以上、依頼主の事を考え続けるには、相応に心を整理してないとイカンのです(笑)