2017年12月18日月曜日

いまさらだけどね(設計料の話)

SNS上で、設計料の話になった(笑)「お高いんでしょ?」まず開口一番にそういう感じ。
 
 まぁ、高い安いかはその人が勝手に思い込む価値観なので、正直なところ何とも言えない。なにせ僕は手間賃主義(笑)人件費と経費それ以外は請求しない。第一そんなもん面倒くさい(笑)
 
 ごく一般的に設計費用(基本計画・実施設計・工事監理大きく3つの業務含めて)は、工事費の10%とか、高度な設計内容やデザイン業務範囲が広範囲な場合によっては15%などと言われるし、業界でも何となくその帳尻に合わせるようにしているのが現状だ。そしてこの、基本計画・実施設計・工事監理の割合もまちまち・・。
 
 最近びっくりしたのが5000万ほどの設計監理料で、図面は建設業者任せで工事監理の業務が「現場に顔出すだけ」で実質何もやっていなかった大手有名設計事務所発見!お茶吹いたわ!基本計画しかやっていない(笑)必然として無駄なドラマが始まり・・・。
 
 本当は国土交通省では一定の算出基準があるがこれまたザル法(笑)。一般の住宅や病院・ホテル・集合住宅・事務所商業施設・倉庫工場・などと難易度(あるいは検討する内容レベル)によって必然的に人件費が変わる。それによっての設計人件費数が異なるので、国土交通省ではこの建物のデザインは200時間でとか、構造は300時間、実施設計は400時間などと決めている。
 
 しかしながら、これがまた設計者の能力によって大きく変わるもの。設計者にも得意不得意の分野がある(笑)と言うより、一人ですべてをこなす・・と言う本来設計者の能力に求められる事が出来る人がいなくなったので、意匠デザイン・構造設計者・エネルギー担当・コストプランニングなどと担当者別になってしまう(笑)
 
 デザインの段階からコストやエネルギープランや構造計算も分離することなくやってきた僕には、自分の作業を細分化する必要性も自覚もないので全ての事を把握しているが、その割合ははっきり言って不明確。組織設計事務所で言うところの統括マネージャー同等だが、それら普通の業務であって分離できるものではない。(急ぐ場合は手伝ってもらう事はある)
 
 全ての分野をまかなえるにはそれ相応の方法論がある。現在の主力となりつつある建築設計手法にはBIM(ビルディング インフォメーション モデリング)と言うものがある。それもCADメーカーによらず、独自の方法論を持って来たので、住宅用BIMあるいは集合住宅用BIMなど、設計依頼が来てから組み上げることが出来る。また、構造計算プログラムもその物件に合わせて組める。エネルギーに関しても同じ。
 
 これは「建築物性を計画する」(3DCGモデリングをする)段階で何を設計要素とするかを附加することで簡単に組み上げられるもの。それももはや特殊な技術ではない。BIMの3DCG部材マネージャーが物性やコスト・工法をキチンと把握していれば設計業務は激減する。 国土交通省の基準はいつの時代の設計業務を基準にしたのかは定かではない。だがはっきりしているのはもはや実情にはあっていなく、その効率の悪い算定基準をベースにして設計事務所は10%(おカミに従えばお得w)などと言っているにすぎない。
 
 まぁ、楽して金を儲けたいのは誰しも同じ(笑)
でも依頼主の利益を考える上では、正直それは不誠実な姿だろう。だから、僕は実費精算主義(これだと10%なんて行くわけがない)。住宅の場合、工事費が1.5億であっても500万だったり、2000万であっても300万(ビジネスの企画までやる場合もある)だったり割合はバラバラ。仕事が楽しかったら安くしちゃうし・・。だからあとで、もうちょっと貰えたのにと後悔することしきりなのだ(笑)
 
 どこまで行ってもうさんくさいのだが・・・そうしないと工事費の価格交渉など出来るわけがない。依頼者の利益を考えると、まず先に一番揺らぐ怪しい自分を切り離さないと・・(笑
少なくとも設計スタートから完成までは1年以上、依頼主の事を考え続けるには、相応に心を整理してないとイカンのです(笑)
 

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