2014年6月20日金曜日

塗装での石組みバンプマップ応用手法

 中世期までヨーロッパ等で行われた組積造。

年代はピンと頭には浮かばないが、建築的工法の序列でなら、ローマ時代のコロシアム前後でコンクリートが発明された。

それまでは純粋に組石造だったのが、これ以降大型の構造には、組石は型枠的に使われていく事が多い。

で、いまさら何か。それがどうしたと言う事なのだが、昨日ある現場からの呼び出し。




ある壁面をとりあえず塗装で仕上げたのだが、それに石目を書きたいらしい。舞台美術ジャンルのお仕事だ。

予算工期共に無い。建築的にはほぼ致命的な条件。そこで引っ張り出された。

総長70m程度の室内廊下壁、もはやこの手しかない。という事でステンシル塗装工法。

型紙である。

本来の組石にはタイルのような目地はない。目地材が圧縮力で破壊されるからだが、型枠的に使われるようになってからは目地は存在する。

そこで、目地をデフォルメし、目地の型板とハイライト型板の2種で立体感を検討をした。

CG分野ではこの一連の作業をマッピング(材質感設定)と言って、特にこの立体感を出す作業をバンプマップと言う。壁面の凹凸を数ミリずらしたり、陰影色をつける事で壁面全体を荒く見せるテクニック。

ゲームなどで地下ダンジョンの石積みなどは良く見かける基本マテリアルだが、実はこれと同じ処方を使う。3DCGの中では常套手段なのだが、これを現物塗装で上げるのは初めて。

さすがにこんなところで使うとは思わなかった。

所で石組みは本来2名程度で分散して作業していたはず。このパターンの石は大体70kg。2人でなら何とか作業できる重量。それ以上だと作業効率が悪い。地下通路のような壁面はこの程度の仕上げに違いない・・・などと、余計なことを考えながら・・・。




0 件のコメント: