2014年8月22日金曜日

建築の本質は空間・・なんちゃって

建築の一番の目的はある一定目的の空間を作り出すこと。いまさらながらの当たり前。

壁や床や天井などの物をどうするか、その素材は・性能は・デザインは・クライアントの要望は・動作寸法は・他の部分との関係は・経済性は・安全健康面では、などといちいち考える事は多い。

それらを全て満足することは難しいので、最善のものあるいは次善の物を優先順位に決定していくことになる。

そうした一次的な「物」とかかわり過ぎる事で精いっぱいになって、その結果もたらされる本当の目的である「空間の質」人を取り巻く空気の質を忘れる事がある。

そう、普段は「容積」を作っている。空間は実は、これは物理的な空間を指しているのではなく、近い言葉で言えば「関係」なのだ。




地元で開催されている極東コンテンポラリーアート2014に行ってきた。
中々面白かった。

昔から気になっていた人形があった。

伽井丹彌だ。帯広に住み自らの製作活動の他、舞踊や人形教室などを開いているとのこと。
https://www.facebook.com/kaiakemi

海外の美術館でも収蔵されているはずだ。

今回の彼女の展示は少々困った。

元々そうなのだが、球体関節人形をハンスベルメールを起源とすると、彼女のは少し毛色が異なっている。

演劇もやって居るせいか、人形その物とそれを取り巻くねっとりした空気が彼女の作風。

作品とは否応なしに、
この段階で「関係」してしまう。
ハンスは物としての人体なのだが、彼女はとても卑怯な手を使う人形作家だと思う。

卑怯とは、人間誰しも共有している感覚なのであらがえないと言う意味。そして演劇の慣性なのかそれを客体化した視線もある。だからヤラレル。何らかの心情を動かされ「関係」してしまうのだ。




正直を言うと、15年の以上昔、彼女の作品を見て、人形の作り方の本を収集したぐらいだが、本業の手前手をかける事は止めている。

彼女の作風が作るねっとりとした空間は、建築と非常に似ている。
それを人形で作りだしている。










建築は主に構築材料なので普段はそれを前面に出すことは出来ないのだが、クライアントの想いがそれに向かった時にだけ、我々はゴーサインをもらって手掛ける事が可能になる。

田舎で「建築」を忘れないで居る事は難しい。何かちょっとアクションしてみるか・・。


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