2011年3月19日土曜日

スヌーピーの絵

ある葬儀でスヌーピーの絵が飾られた。
最初廊下に何気なく置かれていたのに気がつき、よく見るとよくあるプリント物ではない。リトグラフとも違う。
ちゃんとした厚手の高級水彩用紙にヒビ割れした厚塗りアクリル水彩・・・。もしや・・・。

関係者にこの絵は何?と聞くと生前とてもスヌーピーが好きだったので持ってきたという。家にはもっと大きなのが数枚あるという。

おおお・・すげぇ。シュルツの原画か!んじゃ、あのアトリエに行ったんだ、でなきゃ手に入らないはず。そりゃすごい!!こんなところではなく、もっと目立つところに飾らなければと正面横に急遽飾ってもらった。

シュルツのもの、そう思っていた。
よく見るとサインはEVERHART(人工心臓)。あれ?スヌーピーは確か飛行機乗りに成りたがっていたが、この絵は鋼の心臓という意味?こんな題の漫画があったかなぁ・・調べると違っていた。(もちろんスマートフォンで)

スヌーピーが出てくる漫画作者のチャールズ・シュルツが、漫画を題材にして芸術活動を自由にしても良いと認めたトム・エバハートの絵画だった。
考えてみればシュルツがこんな大きな絵を描くはずがない。もし本人だったら値のつけようがない。エバハートとしても、スヌーピーアートの本筋、本物だ。このサイズでは3桁でもおかしくない。

よっぽど好きだったんだ、と故人の顔を見るとなんと、チャーリーブラウンに見えてきた。
似ている!

そういえば、前の飼い主に捨てられたスヌーピーを引き受けたチャーリーブラウン。
お互い犬の散歩中、顔見知りになった僕のカミさんが言っていた言葉を思い出す。
「その犬、いつから飼っているんですか?と聞いたら、引き受けてるんだって・・」。
どうやら、元の飼い主の事情で一時的に借りている(能動的ではない)とのこと。
その微妙な表現・・・あややや・・・。

うまくいかないこの世の中にため息を付く、心優しきチャーリー。
ん?、もしかするとチャーリーを自分に投影していた?それで人間になりたがり、その上哲学的で不満あるいは希望を常に抱えた、厄介な犬のスヌーピーが好きだったのだろうか?

少なくとも、ん百万もスヌーピーの絵に使う人が、それらのキャラクターの性格を知らないはずがない。ただのカワイイキャラ好きのマニアではないだろう。根性が入ったピーナッツマニアに違いない。

人生の悲哀や悩みや頑張りを描いていたピーナツブックス。そう言えば、初期のクレヨンしんちゃん(元々大人向け漫画だった)も、この影響を受けていたのではないかと想像していた事を思い出した。

生前、一度しか話をしたことがなかった・・・・、残念!
Posted by Picasa

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