2013年8月5日月曜日

木造ラーメン構法を妄想する 2

妙に頼りなさそうな前のページのジョイントの補足です。


どう見ても、メッキしてキラキラした、鉄の部品を使っている建物の方が強そう・・・と・・。そしてカッコイイ!。なんか、ヤッタネ!って感じ。




いや、解るんですけど・・・








まぁ、個々の鉄の部品は確かに強いのですが、よく見ると、その強い部品を支えているのは木です。

つまりは、木の強度以上には、その能力を発揮できない訳で・・・。鉄がいくら頑張ってみたところで、必ず先に木がクジケるんです。そうすると、相方の鉄の努力の成果が出ない。

この柱と梁の中で、強さの順序は
1.木の繊維縦方向>2.鉄部品>3.木の繊維横方向  の順序。

鉄部品の素材としての安心感は有るのだけれど、その強度を発揮できる上限はあくまでも木造の強度範囲。強そうに見えてもこれが原則。

最近、柱の横側に梁を接続するとその力を伝えるのに金物に頼らなければならないと、改良案が出てきています。

壁のように作った柱の上に、どーんと梁を通してしまう。これなら梁の力は伝わる(相殺)し、柱(縦繊維方向)の強度も発揮できるし、金物も少なく出来る。

建物の外周を固めるのには、いい考えだと思います。








でも、これに直角方向の梁がかかると
梁の繊維横方向に取り付くようになるので、こんな感じ・・・。最低一本の梁に6組のボルト・・・。

どこかのハウスメーカーじゃ「この家は何百本ものボルトで補強しています」と誇らしげなんだけど、強度を出すのに必要だから使っているだけで、それがないと建物が成立しないという事。

それは、相方の能力を引き出しもしないで「根性なし!」と、木へのイジメの回数が多いのと一緒。とにかく優しくない。

要は、この中で一番弱い繊維方向の横強度を何とかしないと、いつまでたっても、どんなことをやっても、木造の建物は強くはならないんですよね。


それに、前ページの火の話。鉄部が加熱されれば強度10%。木だって焦げるし(強度低下)ボルトの穴が広がればガタがくる。いや、崩れる。


それで、木質系で最強の部品ってどうやれば作れるのかと言う方向に・・。




木材はどんな木でも繊維方向が最強なのですから、それを接着剤を染み込ませ(集成材が強いという根拠でもあります)合板のように方向を変えて、圧力を加えて貼り合わせ、その小口に応力を負担させる。

木は、重量比で言えば鉄やコンクリートよりも強く(軽いので地震の被害を受けにくい)、靭性(歪んでも元に戻る=コンクリートよりひび割れしない)もあるので、建物には最強のマテリアルなのだけど、ここ(繊維に対しての横強度)の所が解決できなかった。

と言う事で、もっといい案があるかもしれないけれど、僕の中では最強ローコスト建築素材としての結論です。

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