2013年8月4日日曜日

木造ラーメン構法を妄想する 1

前のページで言ったように、集成材建築になにかしらの耐火要求があったら、鉄を使っちゃダメだと思うのです。






このグラフなんか見ちゃうと、加熱し始めて5分で温度が500度あがると、
鉄の強度 50%。
木材強度 95%。

いくら木材が強度を保っていたってそれを支えている鉄の強度が落ちれば崩壊します。

このグラフだけでも、集成材のラーメン構法(防火が要求される場合)には、絶対に木質系のジョイント方法が必要だと思うのです。


と言う事で考えたのがコレ。なんじゃこれ~・・でしょ?施工性・管理も簡単、誰でも使えそうなぐらい単純すぎるところがミソ味。建設技術は簡単じゃないとコスト高になる。

と言ってもこの技術はちょっと専門的かもしれないのでサワリだけ。本当に理解してもらえるには結構時間が掛かるんですよね。プロの人にも・・。


応力が交差する部分、いままで鉄骨に頼っていた理由は、木材の繊維方向と繊維に対しての横方向の強度の差は3倍近く有ることでした。

いわゆる木材の「めりこみ」が問題で、それが解決できなくて鉄に頼っていた。(前のページのアニメのプレートなど・・)中には無視してやっているメーカーも・・。

ドリフトピンやボルトなどは、そんなプレートに繋げる為の方法論として避けられなかった金物類。好き好んで使っていたわけでは無いのです。

そこを、木製の薄板積層ダイヤフラムブロックで一挙解決。

これに、一切空隙の生じない継手として引き寄せグリップ型のフィンガージョイント。

通常木材より格段に強度があるこのダイヤフラム。安全性・精度保持・コストを抑えるにはこの形。部品・加工数も、とにかく少なくしています。あとは今の所ナイショですが・・。

このジョイントは、普通は梁の公差(製品精度)などは ±2mmとか ±プラスマイナス を許容範囲とするけれど、このジョイントは (-)側でなければ施工出来ないと言うのがちょっと特殊。

これならば金属部品を使わないので、ドリフトピンなどとの局部応力も生じず、熱伝導による応力集中部分での降伏もないし、耐火建築として、つじつまのあう炭化被覆層の設計もできます。役所も見てみないふりをしなくていいし。

このCG。左右の梁の位置をわざとずらしていますが、これも今までの構法では案外難しかった事。
この工法はどちらかと言うと鉄筋コンクリートに近い性格(ソリッド)なので、木造ではありえなかった多様なデザインが可能になります。今までの構造設計手法より進んだ有限要素解析断面設計など・・・。

とりあえず、もうそろそろいいかな?と様子を見ながらチョロッと公開。

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