2012年5月21日月曜日

2012オホーツク「木」のフェスティバルに出てみる。

オホーツク木のフェスティバルに「おだんご型免震装置」の試作品を出してみた。
数日前に出来上がったばかりなのと、クラフト類や木材利用推進が主の催しなので、少し畑違い、準備不足ではある。
試作品制作は全面的に株式会社中橋建装さんに協力していただいた。中橋建装さんは地元の木製建具や家具などを総合的に制作供給している会社。イギリス発の有名ブランド店舗内装も手がけている。

上部構造は「結界(商品名変更後「界」)」と言う、結構人気の折りたたみ型和室パーテーション。3社コラボ製品。

その下に今回のムフフの免震層。

手前、黄色いモノが免震装置の本体。大径転がり支承体のドラムタイプ。

「安全は誰にでも手に出来なければならない。その為に、いかにローコストで供給できるのか。」との趣旨から始めた免震デザインなので、荒削りではある。


静置してある状態。
中央の上下には
原点復帰コーン(曲面三角錐)と
ダンパーロープ(製品時は強化繊維&弾性ゴム)
東日本大震災を機に思ったことは、現代の建築学にはまだ津波に対処する技術はまとまっては居ないけれど、地震被害に対応する技術はある。せめて地震被害ぐらい何とかしたい。これから始まった。

このデザインを起こす前に、今現状の免震に関する状況を調べた所、ガチガチの特許が8000以上ひしめき合っている状態。もう業界全体でこれは自分たちの権利と利益とを主張しあっている。これで地震に対応する安全が普及されるのだろうかと心配になる。特許も考えものだ・・。

建物がねじれた状態(偏心状態) 

法ではこのようなことにならないように建物の形状を
矩形と規定している。

それは偏心が起きた場合、振幅幅が地震振幅よりも
大きくなる場合や、従来形式のダンパーがこの動きに
対応できないと言う事から、偏心が起きないように
建物形状を単純にしろ、という規定。
(平面がL型だったり一部高層だったりすると地震時
に偏心が起きる。免震層の偏心はコントロールが
非常に難しいので法制定時に、「もう面倒だ」と、建物
の平面形状を矩形に規定しちゃった。)

このデザインは、そんな状態もコントロールでき、
確実に戻る。市井のデザイン屋としては、免震
建築のデザインの自由化にも貢献したいのだが
最大ハードルの国交省さんは、なんて言うのかなー
安全確認や作動のためには、高度な材料技術や高精度の加工技術や高精度のコントロール技術を要するようでは、日常的に専門的な管理が高いハードルになる。これは普及のネック。またこれらはローコスト化には繋がらない。

安全管理の上では自然科学的手法で単純。誰にでも理解できる、これが安全管理の第一歩だろう。

また現在の様に、高精度の加工技術や制御や材料などのシステム化したハイテク技術をベースにして、ローコストな供給は可能か。と素朴に思った。

海外発注やダンピングなど経済事情や格差による価格差ではなく、適正にローコスト化するならば、少部品化とローテクニックで行くべきだろう。

そこで少々ヘンチクリンだがこの案になる。部品数を極限まで減らすことが出来る事と、既存技術や汎用材で生産出来るからだ。このデザインには、高度な専門職など必要ない。

8000以上の相手とやり合いたくないので防御型の特許はすでに申請してある。他人の領域まで踏み込んでは居ない。

とにかく既存企業とは別な方向からのデザインにした。競合するような部品すら無いし風や地震などの外力に対する力の処理計算も変えている。

また、法が転動支承体に関して材質しか想定していない事への皮肉を言いたかった。他の支承体は密着型なので主に面積と材質が問われるが、転動支承体は運動体。その運動方法も幾つかある。形状を考慮してないというのは残念な規定。

この球の大きさは、微分的にめり込んだとしても作動する。だからよく固められているなら土の上でも転がる。他の製品は管理されている建築環境が対象。こちらは、産業被害を防ぐためにも、アバウトな環境まで想定している。とにかく競合は避けている。

ま、それら幾つかの法の解釈は次への課題だけどクリアできる範囲の物と思う。建築以外の産業被害対策にはこのままでも行けるのだから。

ところで、上のような事を一般の人に言っても仕方がない。

それよりも今回出展目的には、一般の人はどの程度地震に感心があるか、もある。



その反応

  1. 北見は地震が少ないので元々反応は少ないとは覚悟していた。近寄ってくる人は少ない。
  2. 中年の女性:「地震被害を少なくする仕組みです。」と言うと、ああ、制震ね。と言う。地震被害対策には免震>制震なのだがTVのCMの強さ(免震では高くて採用にならないので、建物だけを守る制震部品を宣伝している)。CMは凄いなー。
  3. 構造のプロ:あー動いてるねー。アハハ、動いてるよ~。この件はそれで終わり。しばし他の構造ネタで談笑。
  4. 中年の男性:じっと見ながらダンパーは?と言う人。おっ!プロか?よし出番!「これがダンパーです」と言うとあっけにとられた様子。免震実情とデザイン意図を話し名刺を渡す。この質問は2名。他にあるようなシステムとの差異の質問も2名。
  5. おしゃれで上品なご婦人:しばらく安全に関する説明を聞いてもらった。主旨はわかったわ!先に出資者を募集してすすめるっていう手もあるわよ。それから予約生産も考えに入れたら?頑張ってね。と好感触。どうやら投資系やボランティアに強いようだ。僕のスポンサーになって!と擦り寄りたいのを我慢する。
  6. 地元建築技術者:こんなあいてて断熱はどうするの!いきなり、ソコに来るかオノレら。  両立させる方法論はいくらでもある。 命と寒さと優先順位はどっちなのかと天秤にかける必要もない。断熱はこちらでは日常的重要度は非常に高いが、面倒なのでそれらの方法論の説明はやめる。「提供するターゲットは地元だけじゃないんだ。」とだけ説明。
  7. 地元建築技術者: 荷重強度は?との質問。「低層の仕様規定ルートでいけば15m2に1基。負担面積荷重には十分OK」(質問の意図に対して、この答えで良かったのか・・わからない)
  8. 地元建築技術者: 建物周囲の方法はとの質問。「規定では免震建物は周囲から全て50cm以上離せとあるのでその間は生垣とか地盤処理では鋼板で覆う」(免震層断熱被覆のことか?と思ったけど、他の質問が来たので省略)
  9. 地元建築技術者: 設備は?「もちろんこれに限らず免震設備ボックスを経て接続させるのが一番ローコストで安全。必要不可欠」( 断熱免震設備ボックスの内容は説明省略)
  10. 目くばりが大工さん風の男性:にやにやして動いてるのを覗き込んでいるので、これマジだよと声をかけると、こんなんでいいんだーとの反応。そう、こんなんでいいんだよー。これは簡単だね。取付は2ヶ所だけだよ。へー・・・。木でやるの?用途や条件によって素材は変わるよー。だよねー。絶対、大工さんだ。
  11. 中年男性と杖をついたおじいさん:先に中年男性。こんな方法見たことがない。普通は積層ゴムやベアリングでしょ?としょっぱなからかなりの知識だ。「通常の方法はこうですが、ローコスト化のための方法を考慮するとこういうデザインになりました」と説明。しばらくして杖をついたおじいさんと一緒に戻ってきた。ほら、面白いでしょと。杖をついたおじいさんも、おほほ、いいじゃないのと楽しんでもらえた。話している内、なんと20年間以上ご無沙汰していた知人家族であることが判明。お互い容姿が変わっていたので気が付かなかった。思いがけない再会に嬉しくなって握手の手が出た。非常に嬉しい出来事。お元気そうでよかった。正直言うと、これだけでも出展したかいがあった。
  12. 男の子:載せてくれる?。手動で動かしていたので遊具かと思ったらしい。地震体験させてやろうかと思い載せた。そこで気がついたのだけど、上部荷重がちょっと加算されただけで動かすのに違う手応えを感じた。狙い通りの振幅減衰効果(見かけ単純な曲面に見えるが実は振幅に合わせてちゃんと計算している)のが出ているようだ。実物大実験やってよかった。この方法で間違っていなかったと確信できた。
  13. それを見ていた女の子と男の子: わたしらも!。 来た!遊具効果!2人乗せるとさらに減衰(重く)していく。地震力担当のオッサン一人では続きそうもない。
その他、行政側技術者さん数名、露天・見世物小屋の見物感覚のお客さん、いきなり住宅相談の方、フェスティバル関係者の方、通りかかった親類等に見ていただいた。その他、関心があるのだろうけどずっと遠巻きで見ている人が数名(僕が障害になって近づけないのか?ありえるな~)

全然売る気の無いオッサン売り子のブースだけに、価格を聞く人は居ない。こっちもそれには答える準備ができていないのでよかった。

動かしているビデオをUPしょうと思ったが、いろいろあってちょっと後回し。
とりあえずの出店報告と感想。




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