2014年5月18日日曜日

一体何の画像だ?と言われそう


これは僕の事務所を3Dスキャンしたもの。  
普段は計測位置に椅子があり、そこから空間をスキャンした。


空間距離はとりあえず5mとしたのでその先は計測されていないが、12m×12m×12mの空間までは一発で計測できる。それ以上は歩きながら計測する事になる。誤差はノーマルで約2mm-5mm、実用範囲としてみていい。精度をその半分ぐらいにするには出来ない事はないけど、本気と覚悟が必要だ。

物がたくさんあるのと、計測位置から一歩も動いていないので、物陰になっているところはスキャンしていないので、見様によってはボロボロになっているように見えるが壊れてはいない(^^)。部分的ではあるが忠実にスキャンしている。実際に天井は不定形に波を打っているし、机の上には雑誌やスマホやマウスなども拾っている。

これは外から見ている画像だが実際は中(勿論のこと建物は透明ではない)。現実に天井に行っているウレタン吹付工事など、現実には出来上がってしまうと何ミリ吹き付けられているのか、チェックするには非常に手間がかかるが、この方法ならば一目瞭然にわかるのだ。

一応これでこの分野はマスターしました、という事にする。人体などの立体物の計測や場の計測。およそ立体に関する電子データー化に関しては実用化段階に入り、いつでもOKになりました。

一体この技術を何に使うつもりなのか?そりゃあ・・色々と・・。
ま、あんまり興味がわかないだろうなぁ・・、まいいけどさ。とにかく汎用技術。

建築では既存建物計測もそうだけど、どうしてもやっておきたいことがある。

これは北海道の日本海側に花田番屋と言うのがあり、これを3Dのデーターにしておきたかった。
実は写真が銀塩時代の頃から数回チャレンジしたのだが失敗している。

この写真はここにも書いたが1997年の物。デジタルカメラが国産で実用段階と言われた最初の機種の物。

その前は、ペンタックスの普通のカメラで失敗。次に初めてCanonの1眼を買い、それを改造して見たがフイルムでのスキャンだと必要枚数は1000枚は下らない。これはとても痛い。

その後の新しいタイプのcanon minolta olympusなど、デジカメが発売されるごとにチャレンジしたが満足する物は出来なかった。ズーム系レンズ周辺の精度がダメだった。今持っている固定焦点のsigmaでは試してないので5年はチャレンジを休んでいる。

新しい技術を持っているからと言って、資金やスポンサーなしにはこう言う事は出来ないし、ましてやビンボ事務所としては、じっと周辺の技術や環境や理解が追いついてくれるのを待つばかり。資金がありゃね、いくらでもチャレンジできた。そしてその需要や事業が町村合併で見込めなくなったので見送っていた。

ようやく何とかできそうだ。

3Dスキャンは、史跡や文化遺産の資料作成、あるいは人体計測をしての福祉用具やプロダクトデザインに利用できるが、その当時考えていたのはファシリティ・マネジメント(この分野での活用は、15年経ってもいまだにないがその有効性は非常に大きい)。

現在でもそうだが、既存の建物を利用する時、相変わらず建設図面での平面計画程度。
例えば、工場や店舗・事務所のレイアウトは3Dにはかなわないし、もっと言えるのは舞台美術や演劇空間の計画には絶対必要と考えていた。それぞれの劇場で異なる客席や舞台に対し、いかに魅せるかの演出は今まで机上の物だった。劇場などパフォーマンス空間は全て3Dでデーターを提供すべきだろう・・・と考えていたのだ。

最近流行してきたプロジェクションマッピングアートにもこの技術が必要。現在対象になるその多くはCAD図面から起こすので、対象の建物は比較的建設時期が新しい物が選ばれるが、取り込む建物のデーターは3Dスキャンにはかなわない。

話題を呼んでいるそれらは都市型の巨大なイベント(資金が豊富)なので実にうらやましいのだが、田舎では金がない。田舎こそ都市よりも金がない分、ノウハウが必要なのだ。この分野負け知らず。

と、若かりし頃の昔、言ってました。



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