2016年11月11日金曜日

BIMはいいが、クソくらえ。


ある勉強サイトで発言したのでメモ。話題はIFC(目的はBIM)なんだが、IFC分類をやらなければBIMが出来ないという事ではない。どうもそこから違うような気がする。

CADはデーターを広く共有できる事が最大のメリット。大手の設計組織の様なBIM担当「書き子」がいる所ならそれでもいいのだろうが、専門分野の職人さんや設備・電気屋さん達とデーターを共有出来ないのであればBIMなんぞ看板倒れ。

日本のソフト会社ではBIMだと徒党を組んで活動してはいるが、それらは大型物件大型設計組織向けに見える。BIM対応の高額のソフトが導入できたとしても、すそ野が対応できないのであれば役に立たない。建設技術の進歩には「図面情報を共有する」事が目的であるはずなのに、高額ソフトを売るための付加価値の視点では付き合えない。

2次元のJw_cadでだって積算など似たようなことはできる。登録図形に隠し文字で製品名や価格等の情報を記入しておく(図形以外の属性を付加する。)それをexcelに吐き出させればよい。簡単な事だ。2次元ソフトでさえそのような機能はある。

3次元になって現状のIFCの属性たるや・・・(笑)
例えば窓。建設現場での2次元施工図は開口部の種別建具番号大きさ高さ位置は記号と共に書く。2次元で高さ方向が無いからなのだが、3DIFCでも同じように書いている。(インスタンスって言うんだとww)アホちゃうか!と(笑)
それらの大手ソフトメーカーが集合してのBIM。怪しすぎるのだ(笑)

ましてやsketchupヘビーユーザーが、そんな見通しの悪い物に振り回されては、皆が共有できる3次元路線から外れてしまう。もっと楽に簡単に使えなければならない。そんな気がしたので余計なことだとは知りながら、水を差した。

反応? そんなものは知らんww
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IFCに関しては僕は臆病です。

外したことを言うと思いますがその辺は勘弁してください。
まず描いた図面は他に再利用できるのがCAD(でした)。その目的に向かっての方法として、IFCに限らずデーターに属性を付加して「分類」行うのですが、総合的なIFC対応の3DCADシステムを見ても、いまいち明確ではない、あるいは設計作業手順に沿っていない場面に出くわします。
BIMのデーターがそのまま構造計算や収益計算やエネルギー計算・ファシリティマネージメントに転用可能としても設計段階でIFCのクラス(インスタンス)まで設定するのは(それほど各社が整合性がある訳ではないし・・)作業手順としてどうなのかな?と疑問に思うのです。

確かに全てが流通商品で出来上がる昨今、でも常時既製品データーを読み込んだりクラスまで設定すること。さらにコストプランニングや構造など性能評価後に出る手戻り作業を考えると気が重くなります。

また、コストプランニングや建物の性能評価の手順とIFC分類とが完全に一致しているかと言うとそうでもない。
僕は、IFCの現状を見ると、それらゴールさせるべき地点を見ずに、細分化しているだけに思えています。

と言いながらもBIMは有効な方法論ですので、まずはsketchupに出来る事、IFC記入も含め後に手戻りが少ない事を目的にした簡単な分類に止めておこうと思いました。

BIMイコール即IFCではありません。これはそのソフト業界の都合仕様ですので、もっと楽に構えてよいのじゃないでしょうか。
むしろ、sketchupはソフトの性格上、ひたすら部品配置路線上に無くても良いのではないかとも思います。

長いですが本題です。
日本の分類もそうですが前から疑問に思っていたのが、分類が職種別あるいは素材別に分けている事。
積算もそうですが、いわゆるコンクリート工事や木工事建具工事などの分類の仕方です。この分類は設計者の意図とは違います。部品の羅列で考えている訳ではありません。

設計者は、この壁のデザインや性能・床の仕上や防音性能などと「部位」でイメージしています。また、エネルギー計算などはまずは外皮性能ですので開口部を含めた外壁と屋根と床。コストを考える時も、外壁ならば構造仕上etcの価格構成や組み合わせなどで考える。

つまりは、ほとんどの場合「部位」で考え検討している訳です。ところがIFC分類はちょっと違う・・。や、IFC分類の前に、建築部位に分ける作業ルールの方が先のように思えます。

という事で、IFC等の種別分類の前に、部位別分類としてレイヤー分類(sketchupのシーンを利用してフィルターを作る)をしています。実際はコストプランニングやエネルギー性能計算、構造計算などにもこの方が合理的です。CSV出力さえすればその部位のコストプランニングも容易。さらに換気設備や配管等や構造などとも絡めての3Dマスターデーターを作る事も簡単になります。

IFCはそれらの検討が終わった後の作業かと思います
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この図形の赤はレイヤー表示色。(スタイルで設定する。)つまりは現在レイヤー0にある。レイヤーを移動させたかどうか(部位設定を行ったか)が一目でわかる。CSVにもきちんと出力される。
パースなどの時は通常スタイルに戻せばいい。 これらをテンプレートとして設定すればOK。

1 件のコメント:

稲垣和男 さんのコメント...

杉本様;私はSketchUP pro 8を使って3年ほどですが(2010年からver8はいじっておりました。)書かれておられる内容は私にはレベルが高すぎますが、ようやく少しだけ指摘されておられる内容がわかってきました。本当に納得させていただき元気がでてきました。ありがとうございます。