2011年9月2日金曜日

白い粉-4_コネコネする

コネコネしてみる。最近、ここに住み着いたハエが見に来る。(あなたのモニターに止まっているのではない)

硬くて粗くて全然ダメ。色味もグレー気味。
放置期間が短い、つまりは貝殻としては若いんだろうなぁ。まぁ、土壌改良用途に、産廃の貝殻を手っ取り早く処理したというところなのか。こっちの思惑は外れたけれど、製品の生産観点からは妥当だよね、そりゃそうだ。

改めて「有機石灰」と言う商品名の「有機」。言わば「生(なま)」を意味していたか、オーマイガッ!
うーん・・残念。急遽実験目的を変更。
って元々思いつきのネタを整理しているだけだし、せっかくの地元素材、もう少しひねってみよう。

折角コネコネしたので、そのへんにある木片に塗りつけてみる。
これはこれで、もうひと工夫のレシピ(ナイショ)で壁装材料としての可能性はある。(注ー恒久的白華現象の恐れあり。単純に採用しちゃダメよ)

昨今の住宅での「塗り壁ブーム」。珪藻土と唱えば自然派のような演出だがニャハハだ。極薄の塗り厚では塗り壁の価値がない。それならば塗装の類に分類したほうが良い。

そして、それほど薄く塗りつけても剥がれないことが不自然、その接着力の強さはナニ?。その接着力は珪藻土の持ち味である粉の気泡をもふさいではいないのか?

大体、大げさに珍重されること自体おかしい、身の回りにある素材には同効果のものが多数ある。珪藻土メーカーも何を作っているんだか・・・怪しいんだよなぁ・・。
   

などと考えながら、おが屑と貝粉をコネコネして団子にする。元粉そのまま練りこんだので、貝の破片で怪我をした。手のひらにささってやんの。イチチ・・。

このオガクズは10年間熟成(ただの放置)したもの。地元「山忠」からの試料。(あー別にHP作ったのね、でもgoogle Chromeでは・・)経木会社のおが屑なので木片の長さは3mm以下。木塑材としては極めて粗いので乾燥収縮が少ないはず。乾燥時のヒケ(収縮)に関してのテストもあるが、あと2・3調べたいことがある。

ところで、乳鉢にこりて非常手段に出た。(怒られること必須)
指先を押し付けて指紋が残るぐらいになった。

言わば「力わざの胡粉(ごふん)」を作ったようなもの。強引に細かくしたのと貝が若いので白くはない。だから顔料とまではいかない。

胡粉は日本絵画などに使う基本の純白顔料。風化させた貝などを粉末にして粘土にして、さらに風化させて作る。雛人形とかの白い色もそう。膠(にかわ)と一緒にして使う顔料。

これは使っても粗盛か下地用。いやそういう使い方じゃない。どうも人形を作る方向に傾向していく、やっぱ何か作りたいのかもしれない。

この粉末には、さらにもうひと手間(ん-・・いくつだ?)かける予定。

これはオガクズの比較。
左はダンゴにした山忠製(?)右はクリエーションスタジオでもらってきたもの。右のはオガクズというよりすでに木粉。ペーパーナイフを押し付けてもくっきり跡が残る。とても期待している素材。まずはしばらく試してから・・。この地元では原木製材のオガクズのかなり荒い粒子から、こんな木粉まで手に入る。


これ、昨日塗りつけたもの。
みているうち、黙っていられなくてパレットでこすったり撫でたりしてみた。大きくヒケが出る配合をしたので、骨材のような貝の破片が見える。

なんだか左官屋さんみたいになってきたな。でも現代の左官屋さんはこういう技術はもう使っていない。本当に残念。廃れるべき技術ではなかったのに、わずかなコストと時間の為に淘汰されてしまった。今では和洋含めて古来の左官の技術はアートの世界になってしまった感がする。

そして「出来る奴」は少ないことをいいことにベラボウな事を言うのよね。事情を知っている大工さんに聞くと「この地方ではそんな事が出来る左官屋さんは居ない」と断言していた。あーぁ・・。

僕は職人ではないのでそんなに上手くはないが、一通りは知っている。でも、現場の職人さんはついて来ない。田舎設計屋に何がわかるんだと相手にされない。確かに住んでるのは田舎だが、今時住んでいる所=業務範囲&エリアではない。いっそ「そのコテよこせ!」と思うことしばしば。大津でも漆喰でも装飾プラスターワークでも、やりゃ出来るし・・。「壁屋・・」やってもいいかも?

昨日の段階では職人さんとしてはコテ離れが悪く塗りにくい配合かもしれない。それに予想を上回るパターンが出る。面白いと言えば面白いけれど・・。

今回はスサも入れなかった。
自宅のどこかの壁で試し塗りすっか、怒られるかな・・・。

後ろ側のビーカーは「力わざの胡粉」。これから・・・さらに楽しむ。
Posted by Picasa

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